充電式のペン型インパクトドライバーは各社から出ています。
小型なのもあってか価格は安く、使い勝手もいいため充電式のペンインパクトは、コストパフォーマンスが高く非常にお勧めです。
各社の製品は、どれも7.2Vの1.5Ahの充電池に対応したもので、どれも同じに見えますが、それぞれ微妙な違いがあります。
そこで、マキタ、HiKOKI、パナソニックの3社のペン型インパクトドライバを比べてみました。
各社のペン型インパクトドライバ
マキタ ペン型インパクトドライバ
マキタ ペン型インパクトドライバTD022(7.2V)黒 トルク25Nm 1.5Ahバッテリ2本・充電器付 TD022DSHXB
HiKOKI コードレスインパクトドライバー
HiKOKI(ハイコーキ) 旧日立工機 7.2V コードレスインパクトドライバー 充電式 1.5Ahリチウムイオン電池、急速充電器、予備電池、ケース付 グリーン WH7DL(2LCSK)
パナソニック 充電スティックインパクト
サイズ感、重さ
形状はほとんど同じで、ピストルのような形とそこを伸ばしてのストレート形の二つの形状にすることが出来ます。
ストレートにしたときには、パナソニックがわずかに長い、マキタとHiKOKIはほぼ同じです。
これについては、おそらくパナソニックのみ照明が2個付いているためでしょう。
ピストル型にしたときには、スイッチの違いから、マキタとパナソニックがほとんど同じようなサイズ感となり、HiKOKIのみ持ち手となるグリップ部分が長くなります。
スイッチであるトリガーが折れ曲がるグリップ側についているHiKOKIに対して、レバーがビット側についているマキタとパナソニックの違いからです。
いずれも10mmから15mm程度の違いでしかありませんので、ほとんど影響はないかもしれませんが、折れ曲がる部分が大きく、長さが短くなるので、ねじ頭の上のスペースが狭い場所での使用ではHiKOKIがわずかに有利か?とも考えますが、いずれにせよ10mm程度の違いなので同サイズと言ってもいいくらいですね。
トリガーのためか、グリップの部分の太さが少しだけHiKOKIが太いと感じましたが、操作方法の違いもありますし、操作に影響があるような違いではありませんでした。
重さについては、マキタ、パナソニックが550g、HiKOKIが580gとなっています。
おそらくスイッチの違い分ですね。
二つをもって、どちらが重いかを比べれば何となくわかりますが、30g程度だと使っていて差を感じるほどの違いではないので、重さについてもほぼ同じと考えていいと思います。
使用感
使ってみると、すごく違うと感じる部分、逆に意外なほど変わらないと感じる部分がありました。
パワー、回転数はほとんど同じ
カタログ上のトルクが同じなので当然かもしれませんが、パワーや回転については、ほとんど違いを感じませんでした。
あえて言うなら、持ち方の違いでトリガースイッチであるHiKOKIのほうが力やスイッチの加減によるトルク調整などはやりやすいと感じるかもしれません。
これについても、ペンインパクト特有のレバー操作に慣れていないことが原因だと思いますので、慣れてしまえばほぼ同じパワーに感じると思います。
スイッチの違い
使い勝手としては、まずスイッチの違いは非常に大きいです。
マキタ、パナソニックがスイッチの方向は違うものの同じようなレバー式に対して、HiKOKIはトリガー式です。
このスイッチがトリガー式というのは、18Vや14.4Vなどのインパクトドライバーと使い方が同じということ。
正転逆転の切り替えも、普通のインパクトなどと同様にスイッチをどちらかに押し込むことによって切替となっているので、使い慣れている18Vや14.4Vのインパクトとまったく同じ使用感となる。
そのため普通のインパクトに慣れている場合、違和感なく使用できると思います。
ただ、ある程度使ってレバー式に慣れてしまえば、このサイズ、パワーにおいてはレバー式のほうが使い勝手はいいと個人的には感じています。
細かい手元作業がある場合は特にレバー式が使いやすい。
正転逆転の切り替えがレバーを倒す方向だけなので、別にスイッチが付いているHiKOKIよりもワンアクション少ないのも大きい。
マキタ、パナソニックのレバーの向きの違いについては、最初はマキタのほうが使いやすいかな、と感じていましたが、ある程度使っていたら操作に慣れてどちらでもいいと感じるようになりました。
縦横どちらの操作でもほとんど差はなく、問題なく使えます。
ロック方法の違い
回転をロックして手回しで使うときの方法は少し違います。
HiKOKIは、18Vなどのインパクトと同様に、正転逆転の切替スイッチを真ん中にするという方法です。
対して、マキタとパナソニックは、ロックスイッチが別でついています。
これは好みもあるかもしれませんが、HiKOKIのほうが使いやすいかも。
このロック方法に慣れているし、正逆切替と同じ操作でロックできるので、使いながら自然とロックすることができて簡単です。
ペンインパクトで締めて、ロックして、手回しで増し締め確認、また、インパクトにして、という作業が自然とできる感じです。
マキタ、パナソニックの場合、もちろん難しいわけではないのですが、使っている途中にロックするために持ち替える必要が出てきます。
照明はかなり便利
パナソニックについている照明はかなり便利です。
マキタ、HiKOKIにも照明はありますが、どちらもスイッチONで照明が点灯します。
回転させない程度にスイッチを操作して照明のみ点灯させることも可能ですが、照明が欲しいくらい暗いところでの作業では常についているほうが断然便利。
パナソニックは、レバースイッチに連動しての照明ONもできますが、照明のスイッチによって常時ONにすることが出来ます。
しかも、ビットを取付けるホルダーの正面と側面の2ヶ所にライトが点いており、照明スイッチによって、正面のみ、側面のみ、正面+側面の3種類の常時点灯を選ぶことが出来ます。
暗い場所での作業なら初めから照明を準備しますが、隙間や陰になるような作業場所で予想外に暗かった、ということは頻繁におこります。
また、隙間にビスを落としてしまった、というときなどにも、この照明で探せたりして、なぜ他の機種では常時点灯できないのか疑問を感じるほど。
照明の分だけ充電の減りも速いのでしょうが、それ以上に便利さが上回っていると思います。
ケースについて
ペンインパクトは価格も安いため、セットでの購入が多いと思いますが、ケースについてはそれぞれ異なります。
マキタのケース
マキタはアルミケースが仕切られているもの。
その中に充電器と小さなプラスチックケースがあって、そこに予備のバッテリーやビットを入れられるようになっています。
ケースのふた側にもポケットがあり、そこにも長いビットなどを入れることが出来ます。
3社の中では唯一ストレート型でケースに入れることになるため、ケースの高さは抑えられておりコンパクトです。
HiKOKIのケース
HiKOKIは樹脂のケースです。
予備の充電池とビットも入れられます。
ただ、ビットについては、スペースがあるというだけで整理して入れられるようにはなっていないため、そのままビットを入れておくとごちゃごちゃになりがちではあります。
ピストル型で収めますので、マキタに比べるとケースは縦に大きい感じですね。
ペンインパクトをケースに入れるときに短めのビットならつけたまま入れることが出来ます。
ケースの幅は各社ほぼ一緒なのですが、高さはHiKOKIのものが一番高くなっています。
パナソニックのケース
パナソニックは樹脂のケースです。
ピストル型で収納します。
充電器、予備電池も入れることが出来て、かなりコンパクトなサイズです。
ビットについては、メインの部分ではなく上のふたが開いてそちらに入れることが出来ます。
これがビットのサイズで溝が切られていたりして結構きれいに入れれます。
ただ、ふたにはロックなどが付いていないため、ふたが緩いわけではないのですが、床に置いていて間違って蹴られてしまったりするとぶちまけてしまう可能性はあります。
HiKOKIと同様にペンインパクトをケースに入れるときに短めのビットならつけたまま入れることが出来ます。
取っ手部分が出っ張っていますがそれを除くとマキタのケースとほぼ同サイズです。
厚みはマキタに比べて少し分厚いです。
お勧めはどれ?
私の個人的なおすすめは、パナソニックです。
まず、やはりスイッチはレバー式がいい。
パワーがあるインパクトではしっかりと握る必要があり、トリガーのほうがいいのだと思いますが、ペンインパクト程度のパワーならレバーがいい。
正逆切替も不要となるため、操作も早いです。
普通のインパクトばかり使っている方には、操作が難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえばレバー式以外は考えられなくなります。
それに加えて、唯一常時点灯できる照明を備えているのもありがたい。
これに他社が気がついていないことのほうが不思議なくらい。
暗所での作業というよりは、予想外にくらい所での作業の時にありがたいのです。
初めから暗いのがわかっていれば、別で照明を持っていきます。
でも、今回は照明は不要だと思っていて、作業中に誤って暗い隙間にビスを落としてしまった、というときなどちょっと照らしたい時に、スイッチで照明を常時点灯できるのは本当に助かります。
さらに、ケースは断然パナソニックなのです。
ケースだけの比較においても、私なら迷いなくパナソニックを選びます。
操作感、照明、ケース、そのどれもがパナソニックのほうがいいと感じているので、個人的には、パナソニックが断然おすすめです。
ただし、普通の18Vインパクトばかり使っていて、ペンインパクトはたまにしか使わないという方にとっては、使用方法が変わるほうが面倒かもしれませんので、同じ使い方で使うことができるHiKOKIがいいかもしれません。
HiKOKI(ハイコーキ) 旧日立工機 7.2V コードレスインパクトドライバー 充電式 1.5Ahリチウムイオン電池、急速充電器、予備電池、ケース付 グリーン WH7DL(2LCSK)
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